真野自動車整備の中古車選び
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中古車が佐渡に届いたら|納車整備の前に行う「前点検」
前回の記事では、中古車オークションで落札した車を両津港で受け取り、南線を通って当店まで約30分の試運転を行っていることをご紹介しました。
試運転を終えて工場へ到着したら、すぐに納車整備を始めるわけではありません。
その前に行うのが、**「前点検」**です。
これからどこを整備するのか、どの部品を交換するのか。
それを決めるためにも、まずは一台の車をしっかり点検します。
今回は、オークションで落札した中古車が当店へ到着してから行っている「前点検」についてご紹介します。
① 工場に到着したら、まずリフトへ入れて前点検を始めます
両津港から約30分の試運転を終えて工場へ到着したら、まず車をリフトへ入れて前点検を始めます。
ここからは、走らせて感じる試運転とは違い、整備士として車の状態を一つずつ確認していきます。
最初に行う重要な確認の一つが、冷却水の状態です。
ラジエーターキャップを外して、
冷却水の量
吹き返しがないか
オイルが混入していないか
エンジンをかけたときに気泡が出ていないか
などを確認します。
オーバーヒートの兆候や、ヘッドガスケット抜けなどの重大な不具合を疑う状態がないかを見るためです。
こうした不具合があれば、大きな修理につながる可能性があります。
そのため、当店では車が到着したら早い段階で確認する重要な項目としています。
② 次に診断機をつなぎます
冷却系の確認をしたら、次は診断機を車につなぎます。
メーターに警告灯が点灯している車だけではありません。
当店では、落札した車は診断機につないで確認します。
中古車は、外から見たり、実際に運転したりするだけでは分からないこともあります。
両津港から当店までの試運転で特に違和感がなくても、それだけで前点検を終わりにはしません。
試運転で確認することと、工場で確認することは別です。
走って確認したあとは、今度は整備工場で一台の車を確認していきます。
③ 車検の「受け入れ点検」と同じ項目で確認します
当店では、落札した中古車だからといって簡単なチェックだけで済ませることはありません。
普段、車検でお客様の車をお預かりしたときに行っている**「受け入れ点検」と同じ点検項目**で確認します。
車検の受け入れ点検は、これから車検を行う車について、どこに不具合があるのか、どの部品を整備・交換する必要があるのかを確認するための点検です。
当店で普段行っている点検の中でも、最も多くの項目を確認する点検です。
この点検項目を、オークションで落札した中古車にも使います。
「中古車だから、このくらい見ればいいだろう」と簡単に済ませることはしません。
エンジンルームだけではなく、ブレーキ、足回り、下回りなども含めて、一台の車を確認していきます。
④ 下回りは、ここでもう一度確認します
オークションで車を探している段階から、当店では下回りをかなり気にしています。
出品票を確認し、下回り画像があれば画像を見て、必要であれば現地下見でもサビや腐食の状態を確認してもらいます。
そして佐渡へ届いたら、リフトに上げて自分の目でもう一度確認します。
下回りは、車検の受け入れ点検にも含まれる大切な部分です。
オークションの画像や下見担当者からの情報を信用していないわけではありません。
落札前は、その情報をもとに判断する。
そして実際に車が届いたら、今度は整備する側として自分の目で確認する。
確認するタイミングと目的が違います。
⑤ オークションにはクレーム期間がありますが……
中古車オークションには、落札後にクレームを申し出られる期間があります。
そのため、当店では車が届いたら早い段階で前点検を行います。
ただし、不具合が見つかれば、何でもオークション会場がクレームとして受け付けてくれるわけではありません。
実際には、クレームとして認めてもらえる範囲は限られています。
それでも、期間が過ぎてから重大な不具合に気づいて焦らないよう、できるだけ早く車の状態を把握しておくことが大切だと考えています。
両津港からの試運転、そして工場での前点検。
それぞれ方法は違いますが、実際の車の状態を早い段階で把握しておくための確認でもあります。
⑥ 車が汚れていると、見えなかったキズが出てくることもあります
オークションへ出品されている車というと、きれいに洗車され、ピカピカの状態を想像する方もいるかもしれません。
しかし実際には、汚れた状態で出品されている車もたくさんあります。
特に黄砂の時期は車全体が汚れていることもあり、現地下見でも細かなキズを確認するのは大変だと思います。
実際、佐渡へ届いてから、汚れに隠れていた外装の擦り傷に気づいたことがあります。
フロントガラスでも、修理する必要のないペン先程度の小さなキズを見つけたことがあります。
いずれも、車が汚れていたため分かりにくかったものです。
だからといって、現地下見ですべてを見つけてもらえるとは考えていません。
落札前に確認できること。
佐渡へ届いてから分かること。
外装をきれいにして初めて分かること。
中古車は、確認するタイミングによって見えてくるものが違います。
⑦ 前点検が終わったら、交換する部品を決めます
一通りの前点検が終わると、ここでようやく納車整備で何を交換するのかを具体的に決めていきます。
当店では、状態にかかわらず交換すると決めている消耗品があります。
また、タイヤやブレーキ、足回りなどについても、当店なりの交換基準があります。
例えばサマータイヤなら、単純に「溝が残っているから使う」という判断ではありません。
ブレーキについても、パッドだけを見て判断するわけではありません。
ここから先は、前点検ではなく**「納車前整備」**の話になります。
どの部品を交換しているのか。
どのくらいの状態なら交換するのか。
この部分については、次の記事で詳しくご紹介します。
⑧ 前点検が終わると、次の作業へ進みます
前点検を終えて必要な部品を決めたら、車は次の工程へ進みます。
外装仕上げとルームクリーニング、そして納車整備です。
前回の記事でもご紹介したとおり、外装仕上げとルームクリーニングは妻が担当しています。
私が前点検と部品出しを終えたあと、外装と室内をきれいにしていきます。
その間にお客様へ連絡し、佐渡へ届いた実際の車も見ていただきます。
そして必要な部品がそろったら、本格的な納車整備へ入ります。
まとめ|まず一台まるごと確認してから、納車整備を始めます
オークションで落札した車が佐渡へ届いたら、
両津港から約30分の試運転
↓
工場へ到着
↓
冷却系の確認
↓
診断機による確認
↓
車検の受け入れ点検と同じ項目で前点検
↓
下回りの確認
↓
交換する部品を決める
という流れで進めています。
納車整備だからといって、最初から部品を交換していくわけではありません。
まずは、その車が今どんな状態なのかを確認する。
そして、何を整備して、何を交換してからお客様へお渡しするのかを決める。
そのために行っているのが、当店の「前点検」です。
次回は、前点検の結果をもとに、真野自動車整備では中古車の納車前にどんな部品を交換しているのかをご紹介します。

