真野自動車整備の中古車選び
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中古車オークションで落札した車|両津港から南線を約30分、最初の試運転
中古車オークションで落札した車は、いつも佐渡汽船の両津港止めで陸送を手配しています。
オークションでは、出品票や車両画像を確認し、セリに参加する前には現地下見も依頼しています。
それでも、私自身が実際の車を見るのは、両津港へ引き取りに行ったときが初めてです。
今回は、落札した中古車が佐渡へ到着してから、真野自動車整備へ持ち帰るまでに行っている最初の試運転についてご紹介します。
① 初めて見るけれど、初めて見た気がしません
オークションで車を落札するまでに、評価点、出品票、車両画像、下回りの状態、現地下見の結果など、多くの情報を確認しています。
しかし、私自身が実車を見るのは両津港が初めてです。
とはいっても、不思議なもので、初めて見た気はあまりしません。
セリに参加するまでに画像を何度も見て、出品票を確認し、下見担当者から実車の状態を細かく聞いています。
そのため、両津港で対面するころには、
「やっと実車に会えた」
という感覚に近いかもしれません。
両津港では、外装を細かく確認したり、出品票との答え合わせをしたりはしません。
車に乗り込み、そのまま南線を通って当店へ向かいます。
ここから約19km、約30分。
私自身による最初の試運転が始まります。
② 積載車ではなく、自分で運転して帰る理由
当店には積載車もあります。
そのため、両津港で車を積載車に載せ、そのまま当店まで運んでくることもできます。
それでも、落札した車はできるだけ自分で運転して帰ります。
理由は、両津港から当店までの道のりを試運転に使いたいからです。
両津港から南線を通って当店までは約19km、時間にすると約30分。
この南線が、当店にとって最初のテストコースになります。
当店では、買取車の移動や車検切れの車を整備のために引き取る業務もあるため、こうした車両を運行するために必要なナンバーを取得しています。
そのため、車検切れや一時抹消済みの落札車にも対応できます。
積載車で運んでしまえば分からないことも、実際に自分で運転することで感じ取ることができます。
そこまでしてでも、私はこの約30分の試運転には価値があると考えています。
③ 南線をいつもどおり普通に走ります
テストコースといっても、特別な走らせ方をするわけではありません。
両津港から当店までの南線は、40km/hの道路が中心です。
急加速をしたり、車に無理な負荷をかけたりするのではなく、いつも南線を走るように普通に運転します。
ただし、車に乗ったら、
「整備士のスイッチ」
を入れます。
ただ乗って帰るわけではありません。
約30分の間に、運転しながらその車の状態を感じ取っていきます。
④ 約30分の試運転で確認していること
試運転では、
エンジンルームから気になる異音はしないか
ハンドルセンターはずれていないか
段差を越えたときに足回りから異音はしないか
ブレーキ鳴きはないか
走行中にエアコンはしっかり効いているか
さらに、
ナビゲーションやオーディオは正常に作動するか
車内に気になる臭いはないか
走行中に室内から気になる音は聞こえてこないか
といったところも確認しています。
特別な検査機器を使うのではなく、普通に運転しながら、ハンドルから伝わる感覚や音、振動、臭いなどを確認します。
例えば、まっすぐ走っているのにハンドルセンターがずれていれば、
「経年変化なのか、それともどこかにガタがあるのか」
と原因を想像します。
この段階で原因を決めつけるわけではありません。
工場へ戻ってから確認するための情報として覚えておきます。
⑤ 「普通」「何とも思わない」ならOKです
約30分走って当店へ到着したとき、何をもって「いい車だった」と判断するのか。
実は、特別な感動があるわけではありません。
「普通だったな」
「特に何とも思わなかったな」
という感覚なら、それでOKです。
エンジンに違和感がない。
ハンドルも普通。
ブレーキも普通。
足回りから気になる音もしない。
エアコンも効いている。
車内にも気になる音や臭いがない。
中古車の試運転は、不具合を見つけることだけが目的ではありません。
何も気になるところがなく、普通に走る。
それも大切な確認結果です。
当店へ到着するころには、
「うん、いい車だ」
と確信することがほとんどです。
⑥ 実際に走らせて初めて気づいたこともあります
これまで両津港から当店まで何台も試運転してきましたが、この試運転で大きな不具合が見つかることはほとんどありませんでした。
それでも、実際に走らせて初めて気づくことはあります。
以前、インプレッサを両津港から運転して帰ったときには、走行中に室内から異音がすることに気づきました。
工場へ戻って確認すると、室内の部品同士が干渉して音が出ていました。
もう一台、軽トラックでもありました。
走行中、運転席ドア付近から気になる走行音が聞こえてきました。
工場へ戻って確認すると、ドアバイザー付近のドアパネルに建付け不良があり、少し浮いていました。
こちらは、ドアの建付けを調整して対応しました。
インプレッサの室内異音も、軽トラックの走行音も、車を止めた状態で見ているだけでは気づきにくいものです。
実際に道路を走り、段差や路面からの振動、走行風などが加わることで分かることがあります。
こうしたことにあとから気づいて焦らないためにも、両津港から当店までの約30分を試運転に使っています。
⑦ 工場に到着したら、出品票と実車を確認します
約30分の試運転を終えて当店へ到着したら、今度は車を止めた状態で確認します。
オークションの出品票を見ながら、
展開図に記載されていたキズやヘコミ
検査員記入欄に書かれていた内容
などを実車と照らし合わせます。
オークションで確認してきた情報と、実際に届いた車の状態を、自分の目でもう一度確認します。
そして、オークションのクレーム申告期間内に前点検を行います。
ここから納車に向けた点検・整備が始まります。
⑧ 外装と室内は、もう一人の真野自動車整備が見ます
前点検を行い、交換する部品を決めて部品出しが終わると、外装仕上げとルームクリーニングに入ります。
ここを担当するのが、
もう一人の真野自動車整備、妻です。
外装仕上げとルームクリーニングを担当しているので、キズやヘコミを見ることに関しては、私より細かいところまで気づくことがあります。
実際に、私が気づかなかった小さなキズやヘコミを見つけてもらうこともあります。
整備士として見る私とは、また違う目で一台の車を確認してもらっています。
そして、このタイミングでお客様にも連絡をします。
佐渡へ届いた車を、実際にご自身の目で見ていただきます。
まとめ|両津港からの約30分も、納車までの大切な工程です
オークションで落札した車を私自身が初めて見るのは、両津港です。
ただ、出品票や画像を何度も確認し、現地下見の結果も聞いているため、初めて見た気はあまりしません。
当店には積載車がありますが、できるだけ自分で運転して帰ります。
両津港から南線を約19km、約30分。
特別な走らせ方をするわけではありません。
いつもの南線を普通に走ります。
ただし、運転席では「整備士のスイッチ」を入れています。
エンジンの音、ハンドル、足回り、ブレーキ、エアコン、車内の音や臭い。
普通に走りながら、その車の状態を感じ取ります。
そして、
「普通だった」
「特に何とも思わなかった」
なら、それでOKです。
これから点検・整備を始める前に、自分で一度しっかり運転しておく。
あとになって想定していなかったことに気づき、焦らないようにするためでもあります。
両津港から当店までの約30分は、ただ車を運んでいる時間ではありません。
落札した車を初めて自分で運転し、
「この車でよかった」
と確認するための大切な時間です。

