車の買取・手放し方
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車の査定では、年式や走行距離も大切な判断材料です。
ただ、走行距離が少ないからといって、それだけで高く評価できるとは限りません。
当店でも、走行距離だけでは分からない部分を見落としたり、仕様による市場評価を読み違えたりして、買取後に損失が出たことがあります。
今回は、その中から日産キャラバンバンと日野デュトロの2台をご紹介します。
キャラバンでは、メーターに表示されている走行距離だけでは分からなかった「履歴」。
デュトロでは、約54,000kmという低走行だけでは判断できなかった「仕様と市場での評価」。
同じ走行距離という査定項目を見ていても、判断を誤った理由はそれぞれ違いました。
約10万km表示の日産キャラバンバンを買取
1台目は、日産キャラバンバンです。
買取時、車両のメーターに表示されていた走行距離は約10万kmでした。
車には複数の特定整備記録簿も残されていました。
ただ、記録簿は年代順に整理されていたわけではなく、車検証入れの中でバラバラになっている状態でした。
当店では車両の状態などを確認して査定し、その車を買い取りました。
記録簿を整理していてメーター交換の記録を見つけました
買取後、残されていた記録簿を年別に並べ、整理して綴っていました。
その作業中、一枚の特定整備記録簿にメーター交換についての記載があることに気づきました。
その記録簿には、約18万kmの走行距離が記録されていました。
一方、その時点で車についているメーターの表示は約10万kmです。
ここで、現在取り付けられているメーターが交換されたものであることに気づきました。
記録簿そのものは残っていましたが、買取時にはその内容まで十分に確認できていませんでした。
オークション会場へ確認すると、出品上の扱いが変わりました
確認できたのは、メーター交換について記載された記録簿が残されていたということです。
誰かが意図的にメーターを巻き戻したことを確認した事例ではありません。
ただし、中古車としてオートオークションへ出品する際には別の問題がありました。
メーター交換について記載された特定整備記録簿を見ると、「実施工場」の欄が未記入になっていました。
そこで、利用するオートオークション会場のクレーム担当者へ電話で確認しました。
クレーム担当者へ確認したところ、今回の記録簿は「実施工場」の欄が未記入であり、メーター交換を裏付ける有効な記録としては扱えない、という回答でした。
これは、今回利用したオークション会場へ実際に確認した際の判断です。
「実施工場欄が未記入なら、すべての場合で記録簿が無効になる」という意味ではありません。
そのため今回の出品では、出品表の走行距離欄に現在のメーター表示である約10万kmを記載し、会場の扱いに従って、その横にメーター改ざん車を示す記号を記入しました。
これは、実走行距離を約10万kmと判断したという意味ではありません。
実際にオークションへ出品して落札結果を確認すると、当店が買取時に想定していた評価とは差があり、その差は買取後の当店側の損失となりました。
約54,000kmの低走行だった日野デュトロ
もう1台は、幌付きの日野デュトロです。
走行距離は約54,000km。
低走行であることも評価材料のひとつとして、当店で買い取りました。
しかし、この車では走行距離とは別の部分で市場評価を読み違えていました。
このデュトロはATで、エンジン型式はS05Cでした。
同じ車種でも、エンジン型式や変速機などの仕様によって、中古車市場での需要や評価が異なる場合があります。
今回のデュトロでは、こうした仕様を含めた当時の市場評価を、当店が十分に読み切れていませんでした。
1回目のオークションでは流札しました
買取後、デュトロをオートオークションへ出品しましたが、1回目は落札されず流札となりました。
約54,000kmという走行距離だけを見れば低走行でしたが、実際に市場へ出してみると、当店が想定していた評価とのズレがありました。
その後は別の売却先を探し、最終的に別のバイヤーへ売却しました。
当初想定していた結果にはなりませんでしたが、売却先を変えることで、当店側の損失を抑える形となりました。
走行距離だけでは買取価格を判断できません
キャラバンとデュトロでは、当店が判断を誤った理由が違います。
キャラバンでは、メーターに表示された約10万kmという数字だけでは分からない走行距離の履歴がありました。
一方、デュトロは約54,000kmという低走行でしたが、走行距離とは別に、エンジン型式や変速機などの仕様を含めた市場評価を見る必要がありました。
2台とも走行距離を確認していなかったわけではありません。
走行距離は確認していました。
それでも、その数字の背景にある履歴や、走行距離以外の仕様まで含めて見なければ、実際の中古車市場での評価を読み違えることがあります。
今回の2台で生じた損失は、いずれも買取後の当店側のものです。
査定した時点で確認している相場と、実際にオートオークションへ出品したときの結果が必ず同じになるわけではないことについては、車の買取価格を決めるまで|相場・状態・需要・流通から考える当店の査定でも詳しくご紹介しています。
また、走行距離だけでなく、車種や型式、仕様、その時点の需要によって中古車市場での評価が変わる理由については、車の価値は年式・走行距離だけでは決まらない|中古車の「需要」と相場で説明しています。
今回のような経験も踏まえ、現在の査定では、メーターに表示されている走行距離だけでなく、確認できる記録簿の内容や車両の仕様、その時点の中古車市場なども判断材料にしています。
当店が実際の車両状態と現在の相場をどのように確認しているのかは、佐渡で車を査定すると買取価格はどう決まる?|当店が「今の相場」を調べる理由でもご紹介しています。
走行距離は、車を査定するうえで大切な情報です。
ただ、その数字だけで買取価格が決まるわけではありません。
今回ご紹介した2台は、査定する側である当店自身も、その難しさを経験した事例です。



