真野自動車整備の中古車選び
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中古車オークションの現地下見では何を見る?セリに参加する前の最終確認
当店では、お客様から中古車のお探し依頼をいただくと、全国の中古車オークションから条件に合う車を探します。
オークションでは、評価点や検査員記入欄、展開図、車両画像など、さまざまな情報を確認できます。
ただ、当店ではそれだけを見て応札するわけではありません。
お客様に候補車をご確認いただき、
「この車なら進めても大丈夫です」
とOKをいただいた車については、セリに参加する前に現地下見を依頼します。
写真では分からない小さなキズ、内装の臭い、下回りのサビ・腐食、機関や装備の状態など、実際の車を見なければ分からないことがあるからです。
今回は、当店が中古車オークションで応札する前に行っている「現地下見」と、その情報をどのように落札判断につなげているのかをご紹介します。
① 全国のオークション会場へ私自身が見に行くわけではありません
「現地下見」と聞くと、私が全国のオークション会場へ行って、一台ずつ車を見ていると思われるかもしれません。
実際には、下見を専門に行う代行機関へ有料で依頼しています。
その日にオークションが開催されている会場構内で、担当者に実際の車両を確認してもらいます。
当店では、まず下見代行機関へ依頼します。
対応エリア外などで利用できない場合は、なるべくオークション会場外の下見サービスへ、それも難しい場合にはオークション会場へ下見を依頼します。
写真を送ってもらえるサービスもありますが、通常より料金が高くなるため、必要に応じて利用しています。
なお、下見にかかる費用は当店の経費です。
② お客様からOKをいただいた車だけ、下見を依頼します
オークションで検索して見つかった車を、すべて下見しているわけではありません。
まず当店で、年式、走行距離、価格、カラー、駆動方式、評価点、出品票などを確認します。
その中から候補車を絞り、お客様にも車両情報をご確認いただきます。
そして、お客様からOKをいただき、本当にセリへ参加する段階まで進んだ車だけ現地下見を依頼します。
つまり、現地下見は応札前の最終確認に近い工程です。
③ 実際のセリは、わずか15〜30秒ほどで終わります
中古車オークションは、インターネットオークションのように何日間も入札を受け付けているものではありません。
当店では、リアルタイムで進むライブオークションに参加しています。
その一台のセリに参加するため、開始時刻が近づくとパソコンの前で待機します。
セリが近づいたら、予定していた工場の作業もいったん止めます。
ほかの仕事をしながら参加するのではなく、その時間はライブオークションに集中します。
そして、セリが始まるまでに、
お客様のお探し条件
評価点
出品票
車両画像
下回りの状態
現地下見の結果
をもう一度確認します。
さらに、下見で分かった車両状態も踏まえて、最終的に「この車ならここまで」という落札上限額をもう一度計算します。
ここはとても大切な時間です。
「良い車だから、もう少し出してもいいだろう」
と、その場の勢いで予算を上げるわけにはいきません。
車両価格だけでなく、その後に必要となる費用も考えながら、**「この車ならここまで」**という金額を決めてセリを待ちます。
そして、いざその車のセリが始まると、わずか15〜30秒ほどで終わります。
セリが始まってから、ゆっくり考えている時間はありません。
予算内で落札できれば終了。
落札上限額を超えれば、そこで追うのをやめます。
15〜30秒のセリに参加するために、それまで時間をかけて情報を集め、最後の判断をしています。
④ 落札できるまで、候補車ごとに下見を繰り返します
下見をして「この車なら大丈夫」と判断しても、必ず落札できるわけではありません。
例えば3台目でようやく落札できた場合、
1台目を下見 → 見送り、または応札したが落札できず
2台目を下見 → 見送り、または応札したが落札できず
3台目を下見 → 応札・落札
ということもあります。
この場合、合計3回の下見を行っています。
落札上限額を超えて落札できなければ、次の候補車を探します。
そして再びお客様に確認していただき、OKをいただいたら、次の車でも下見を依頼します。
落札するまで、候補車が変わるたびに確認を繰り返します。
⑤ 当店独自の確認用テンプレートを使っています
下見代行サービスには、もともと決められた点検項目があります。
それに加えて当店では、独自のテンプレートを使い、
外装・内装・機関
の大きく3つに分けて確認を依頼しています。
さらに、すべての車に同じことを聞くだけではありません。
出品票や画像を見て、
「ここのキズが気になる」
「この部分のサビを詳しく見てほしい」
など、その車ごとに気になった部分を追加して確認してもらいます。
依頼内容はFAXで送り、その後、実際に車を見た担当者から電話で結果を聞きます。
下見依頼には締め切りがあるため、当店ではその車のセリ開始時刻のおよそ2時間前までには依頼するようにしています。
締め切り間際では下見がキャンセルされる場合もあるため、候補車が決まったらできるだけ早く依頼します。
⑥ 外装・内装・機関を細かく確認してもらいます
外装では、出品票に書かれているA(キズ)やU(ヘコミ)などの状態だけではありません。
出品票に記載されていないキズはないか
ドアエッジに塗装の欠けはないか
板金塗装部分に色ムラなどはないか
下回りにサビや腐食はないか
などを確認します。
内装では、
シートの状態
タバコ臭
ペット臭
生活臭
エアコンの効き
エアコンの風から嫌な臭いがしないか
オーディオやナビの型式
バックカメラが映るか
なども確認してもらいます。
さらに機関や装備については、
エンジンの吹け具合
エンジンオイルの量と汚れ
シフト操作時のショック
パワーウインドウの作動
パワーステアリングに引っ掛かりがないか
パワースライドドアの作動
ドアミラーの格納
ドアミラーの上下左右のリモコン操作
メーター内の警告灯・チェックランプに異常がないか
なども確認してもらいます。
ここまで確認してもらうことで、出品票や車両画像だけでは分からない情報をできるだけ増やしてから、応札するかどうかを判断します。
⑦ 下見まで進んでも、見送る車はあります
お客様からOKをいただき、下見まで進んだ車でも、
「これはやめておこう」
と判断することがあります。
正確に集計した数字ではありませんが、感覚としては下見まで進んだ車の1割程度を見送っています。
これまでにも、
かすかに紙タバコの臭いがした
生活臭がかなり強かった
下回り画像のない会場で、想定以上の腐食が見つかった
出品票では運転席シートの「スレ」だったが、実際には切れていた
などの理由で見送ったことがあります。
出品票だけを見ていたら分からなかった情報です。
だからこそ、最後に実車を確認してもらう意味があります。
⑧ 出品票より実際の状態が良いこともあります
下見は、悪いところを見つけるためだけに行っているわけではありません。
例えば、出品票の展開図にA(キズ)やU(ヘコミ)がいくつか記載されていても、実際に見てもらうと、
「ほとんど気にならない程度です」
ということがあります。
オークション会場によっては、非常に細かくキズやヘコミを拾っていることもあります。
そのため、
Aがあるからダメ。
Uが多いからダメ。
と出品票だけで判断することはしません。
下見は悪いところを探すためではなく、その車の実際の状態を知るために行っています。
⑨ 全国の車を見ている下見担当者の話も参考にします
下見担当者は、その日にオークション会場へ出品されている多くの車を見ています。
電話で話していると、
「この地域から来た車にしては、かなりきれいですよ」
といった話を聞くこともあります。
反対に、サビの多い地域から出てきた車について、率直な感想を聞くこともあります。
サビの少ない地域の担当者の場合、佐渡で日頃から車を見ている私より、サビに対する見方が厳しいと感じることもあります。
チェック項目の結果だけではなく、全国の車を数多く見ている担当者との会話から分かることもあります。
私は、こうした下見担当者から伝えられる情報を信用しています。
⑩ それでも、下見ですべてが分かるわけではありません
ここは、とても大切なところです。
これだけ細かく下見をしても、中古車の状態を事前に100%把握できるわけではありません。
実際に、下見でも見抜けなかった不具合があります。
過去に落札したマツダ車では、アダプティブLEDヘッドライトシステムに不具合がありました。
最初は正常に作動しますが、一定時間が経過するとロービームが点灯しなくなり、警告灯が点灯するという症状でした。
下見をした時点では正常だったため、この症状を確認することができませんでした。
幸いだったのは、お客様へ納車する前に当店でライトの点灯確認を行い、不具合を発見できたことです。
ただ、不具合が分かったときにはオークションのクレーム申告期間を過ぎていました。
さらにLEDヘッドライトは、不具合のある部分だけを単体交換できず、ランプ一体での交換が必要でした。
結果として、この修理でその車の利益はほとんどなくなりました。
もう一台、日産車でも経験があります。
こちらはリヤエアコンの表示自体は出ていましたが、照明が点灯しないという不具合でした。
最終的には、エアコン用コンピューターの交換が必要になりました。
エンジンの吹けやオイル、装備の作動まで確認してもらっていても、限られた時間の下見ですべての不具合を見つけることはできません。
⑪ それでも、私は現地下見を大切にしています
見抜けなかった不具合があったからといって、下見代行サービスを信用していないわけではありません。
むしろ、私は下見担当者からもらう情報を信用しています。
限られた時間と条件の中で、外装、内装、臭い、装備、機関など、できる限り細かく確認して情報を伝えてくれるからです。
ただし、その情報をもとに、
この車に応札するのか。
それとも見送るのか。
最後に決めるのは自分です。
⑫ 下見担当者に、最後に必ず聞く質問があります
外装、内装、機関、その車で気になっていたところまで、一通り下見結果を聞きます。
そして最後に、下見担当者に必ず聞く質問があります。
その質問への答えを聞くことで、それまでに集めた情報がつながり、
「この車なら応札していい」
という判断が確信に変わります。
もちろん、その答えだけで決めるわけではありません。
お客様のお探し条件、評価点、出品票、画像、下回り、そして現地下見で得た情報。
それらを合わせて、最後は自分で判断します。
まとめ|下見は「絶対大丈夫」にするためのものではありません
中古車オークションでは、評価表や画像から多くの情報を確認できます。
しかし、それだけでは分からないことがあります。
そのため当店では、お客様からOKをいただき、本当にセリへ参加する車について現地下見を依頼しています。
落札できなければ、次の候補車でも改めて下見を行います。
それでも、すべての不具合を事前に見つけられるわけではありません。
実際に、下見では症状が出ず、落札後に不具合が分かった経験もあります。
だから私は、
「下見をしているから絶対に大丈夫です」
とは考えていません。
現地下見の目的は、絶対を保証することではなく、出品票や写真だけでは分からない情報を一つでも多く集めることです。
その情報を、お客様のお探し条件や評価表、画像、これまで車を見てきた経験と合わせて判断する。
そして、
応札するのか。
見送るのか。
最後に決めるのは自分です。
お客様から依頼を受けて全国から一台を探すからこそ、わずか15〜30秒のセリが始まる直前まで、できる限りの確認をしてから判断しています。

