真野自動車整備の中古車選び
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中古車の納車前整備|何を交換する?真野自動車整備の交換基準
前回の記事では、オークションで落札した中古車が佐渡へ到着したあと、納車整備を始める前に行っている「前点検」についてご紹介しました。
前点検が終わると、その結果をもとに交換する部品を決め、納車整備に入ります。
当店では、整備履歴が確認できなければ基本的に交換する部品もあれば、現在の状態を見て交換するかどうかを判断する部品もあります。
今回は、当店が中古車の納車前に何を交換しているのかだけでなく、なぜ車を探す段階から納車整備の予算を確保しているのかについてもご紹介します。
① オークション前には分からない「整備履歴」があります
中古車オークションで車を探すときには、評価点、出品票、車両画像、下回り、現地下見など、できるだけ多くの情報を集めます。
ただし、この段階では分からない重要な情報があります。
これまで、どのような整備を受けてきた車なのか。
車検時の整備記録簿が残っている車も多くありますが、何も残っていない場合もあります。
ディーラーで整備されてきた車は、車検だけでなく定期点検も受けているケースが多く、過去の整備の痕跡を比較的たどりやすい傾向があります。
ところが、こうした書類はオークションで車を探している段階では確認できません。
落札後に車両代金の支払いを終え、車検証などの書類が郵送されてきて、初めて確認できる情報です。
つまり、応札するときには、その車の整備履歴に不透明な部分が残っています。
② だから、最初から納車整備の予算を確保しています
ここが、当店が中古車の仕入れを考えるうえで大切にしているところです。
過去の整備履歴がすべて分からない以上、
「きっときちんと整備されているだろう」
という前提で仕入れることはしません。
整備履歴が分からなければ、必要な部品を交換できるように、最初から納車整備に十分な予算を確保したうえで車を探します。
落札後に届いた整備記録を確認して、
「これは最近交換されている」
と確認できれば、その記録を参考にします。
反対に、いつ交換したのか分からないものについては、基本的に交換する方向で考えます。
これまでの記事でも、車両を仕入れる際に「整備のための予算を残す」という話をしてきました。
オークション前には分からない整備履歴があることも、当店が納車整備に予算をかける理由の一つです。
③ 整備履歴が確認できなければ、基本的に交換する7項目
当店では、整備履歴などから交換時期を確認できない場合、基本的に交換すると決めている消耗品があります。
エンジンオイル
オイルフィルター
エアーエレメント
クリーンエアフィルター
バッテリー
ワイパーゴム
スパークプラグ
の7項目です。
ただし、何が何でも新品に交換するという意味ではありません。
特定整備記録簿などから最近交換されたことが明確に確認できる場合は、交換しないこともあります。
また、スパークプラグについては種類によってメーカーが指定している交換時期が大きく異なるため、その基準も確認して判断します。
大切にしているのは、
「いつ交換したのか分からない部品を、何となくそのまま使わない」
ということです。
過去の整備記録があれば確認する。
メーカーが示している交換時期も確認する。
そして、実際の部品の状態を見る。
そのうえで交換するかどうかを決めています。
④ 「まだ使える」だけでは判断しません
車のメンテナンスノートや取扱説明書には、部品によってメーカーが交換時期の目安となる走行距離や年数を示しているものがあります。
当店でも、そうしたメーカーの基準を参考にしています。
さらに、
現在の走行距離や年数
これまでの整備記録
実際の部品の状態
これまでの整備経験
などを合わせて考えます。
ですから、単純に、
「まだ使えるから、そのままでいい」
とは考えていません。
当店が考えるのは、**「この先どのくらい使えるのか」**です。
今は使えていても、この先乗っていく中で交換時期を迎えそうな部品があります。
納車整備のときに一緒に作業できる部品であれば、追加の工賃をいただかず、部品代だけで交換できるものもあります。
それなら、後日あらためて工賃をかけて交換するより、状態や費用を考えて今のうちに交換しておく。
納車してから、
「今度はここを交換しましょう」
「次はこちらを交換しましょう」
と続くより、納車整備で一緒にできるものは、できるだけ済ませておきたいと考えています。
⑤ タイヤは、現車を見ながらお客様と相談して決めます
サマータイヤにも、当店なりの基準があります。
基本的には、
製造から2年以内
残り溝80%以上
この両方を満たしていれば、そのまま使用することがあります。
ただし、これはあくまで一つの基準です。
実際のタイヤには、
極端な外減り
空気圧不足による両肩の減り
ひび割れ
ショルダー部分の損傷
縁石などに擦った跡
などが見られることがあります。
製造年が新しく、溝が十分残っていても、実際の状態を見て「これは交換した方がいい」と判断することもあります。
タイヤについては、お客様に現車を確認していただくときに、実際のタイヤも一緒に見てもらいます。
現在の状態や、この先どのくらい使えそうかをご説明したうえで、交換するかどうかをお客様と相談して決めていきます。
数字は判断材料の一つですが、数字だけですべてを決めるわけではありません。
⑥ ブレーキや足回りは、状態を見て判断します
状態を見て交換を判断するのが、ブレーキや足回りの部品です。
例えば、
ブレーキパッド
ディスクローター
ディスクキャリパー
リヤホイールシリンダー
ロアボールジョイントブーツ
タイロッドエンドブーツ
ステアリングラックブーツ
などがあります。
部品名だけを見ると少し難しく感じるかもしれませんが、どれもブレーキやハンドル操作、足回りなどに関係する部分です。
前点検で実際の状態を確認し、交換やオーバーホールが必要かを判断します。
状態によっては、納車整備の段階で交換やオーバーホールを行うことも少なくありません。
ここでも考えるのは、
「今すぐダメになるか」だけではなく、「この先どのくらい使えるのか」
ということです。
納車整備のために車をリフトへ上げ、点検や整備をしている今なら、追加の工賃をいただかず、部品代だけで交換できるものもあります。
この先乗っていく中で交換時期を迎えそうな部品なら、状態や費用を考え、今のうちに交換することもあります。
⑦ バッテリーは、納車後の「エンジンがかからない」を避けたい
バッテリーは、基本的に交換する部品の一つです。
点検したときにエンジンがかかっていても、それだけで「まだ大丈夫」とは考えません。
中古車の場合、それまでどのような使われ方をしてきたのか、いつ交換されたのか分からないことがあります。
そしてバッテリーが弱れば、ある日、
「エンジンがかからない」
ということになります。
納車して間もない車でエンジンがかからなくなれば、お客様にとって、とても悪い印象になります。
当店としても、出張して対応することになります。
それなら、交換時期がはっきりしないバッテリーは、納車整備の段階で交換しておく。
これが当店の基本的な考え方です。
⑧ スパークプラグは種類によって判断が変わります
スパークプラグも基本的には交換対象として考えますが、種類によって判断は変わります。
「イリジウムプラグだから長持ちする」と一括りにはできません。
一般的なタイプでは、4万km程度でも状態が悪くなることがありますし、7〜8万kmほど走って交換したくなるケースもあります。
一方、メーカーが長い交換時期を指定しているタイプもあります。
例えば、トヨタ車では20万kmを交換時期の目安としているタイプもあり、そうしたプラグまで無条件に交換するわけではありません。
ここでも、
メーカーの指定
走行距離
整備記録
実際の状態
を見ながら判断します。
⑨ 数字だけではなく、実際の状態を見て判断します
ここまで当店の基準をご紹介しましたが、すべてを数字だけで機械的に決めているわけではありません。
同じ年式、同じ走行距離でも、車の状態は一台ずつ違います。
メーカーが示す交換時期。
過去の整備記録。
現在の走行距離と年数。
実際に部品を見た状態。
そして、納車整備に確保している予算。
それらを合わせて、整備士として交換が必要かどうかを判断します。
また、タイヤなどは実際の状態をお客様にも見ていただき、必要に応じて相談しながら決めていきます。
使える部品を何でも交換すればよいとは考えていません。
反対に、「まだ使える」という理由だけで、この先交換時期を迎えそうな部品をそのまま残すこともしません。
一台ごとに、そのバランスを考えて納車整備をしています。
⑩ 交換して終わりではなく、整備した記録を残します
納車整備は、部品を交換して終わりではありません。
当店は、新潟運輸支局の認証を受けた整備工場です。
ブレーキなどの分解を伴う整備や定期点検を行い、実施した点検・整備内容や交換部品について、特定整備記録簿に記録を残します。
何を点検したのか。
どこを整備したのか。
何を交換したのか。
「交換しました」と口頭でお伝えするだけではなく、履歴として残していく。
将来、車検や整備をするときにも、それまでにどのような整備が行われてきたのかを確認する材料になります。
当店は、**新潟運輸支局の認証工場(認証番号10420)**として、必要な点検・整備を行い、その内容を記録として残しています。
まとめ|整備に予算を残して中古車を探す理由
当店では、中古車を探すとき、車両そのものに予算をすべて使うことは考えていません。
オークションで応札する段階では、過去の整備履歴まですべて分かるわけではないからです。
だからこそ、最初から納車整備に十分な予算を確保して車を探します。
車が佐渡へ届いたら前点検を行い、整備記録を確認し、メーカーが示している交換時期や実際の部品の状態も見ながら、何を交換するのかを決めていきます。
判断するのは、
「今、使えるかどうか」だけではありません。
「この先、どのくらい使えるのか」まで考えます。
この先乗っていく中で交換時期を迎えそうな部品で、納車整備と一緒に作業すれば追加の工賃がかからず、部品代だけで交換できるものなら、状態や費用を考えて今のうちに交換する。
一方で、整備記録から交換時期が明確で、まだ十分使えると判断できるものまで交換するわけではありません。
中古車だからこそ、分からない部分のために整備予算を残しておく。
そして一台ずつ状態を確認し、必要なところにその予算を使う。
これが、真野自動車整備が中古車を探すときから考えている、納車前整備の基本です。

