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古い車は修理する?乗り換える?実際の3つの事例から考えること
長く乗ってきた車が故障したとき、
「修理して、もう少し乗り続けようか」
「そろそろ乗り換えた方がいいのだろうか」
と迷うことがあります。
修理すれば、まだ乗れるかもしれません。
一方で、修理費が高くなったり、ほかの部分にも傷みが見つかったりすると、これから先のことも気になります。
古い車だからといって、必ず乗り換えなければならないわけではありません。
大切なのは、今回の故障だけでなく、車全体の状態や、これからの使い方も考えることです。
今回は、佐渡市の真野自動車整備で実際に経験した、ワゴンR・プリウス・ジムニーの3つの事例をご紹介します。
いずれも乗り換えを選ばれた事例ですが、修理して乗り続けるという選択もあります。
なお、今回ご紹介するのは、それぞれの車で確認した状態と、お客様の判断です。同じ車種であれば、必ず同じ故障や腐食が起きるという意味ではありません。
事例① ワゴンR|エアコン修理を重ねた翌年、突然エンジンが止まりました
平成21年式のスズキ ワゴンR(MH23S)の事例です。
この車では、以前からエアコンの修理に悩まされていました。
コンプレッサー、エキスパンションバルブ、コンデンサーなど、エアコンに関わる複数の部品を交換してきました。
ところが、その翌年、自宅の敷地内で車庫に入れようとしたときに、突然エンジンが止まりました。
プッシュボタンを押しても再始動できず、当店がレッカーで出動しました。
診断の結果、エンジンコンピューターとジャンクションブロックの交換が必要と判断し、修理費用を約25万円と見積もりました。
エンジンコンピューターは、エンジンの動きを制御する部品です。ジャンクションブロックは、車の電気回路をまとめる部品です。
お客様は、今回の修理見積もりと車の状態を踏まえ、乗り換えを決断されました。
これまでの修理が無駄だったわけではありません
車を修理して乗り続けていても、別の部分が故障することがあります。
今回のエアコンの不具合と、翌年のエンジン停止は、異なる箇所で発生したトラブルです。エアコン修理がエンジン停止を引き起こしたという意味ではありません。
これまで修理してきたことが、無駄だったというわけでもありません。
その時々に必要な整備を行い、車を使い続けてきたことにも意味があります。
ただ、新たに大きな修理が必要になったときには、これまでの費用だけでなく、これから必要になる費用や車の状態を改めて考えることも大切です。
今回の約25万円は、このワゴンRの診断結果に基づく見積もりです。
修理費が25万円になったら乗り換える、という一律の基準があるわけではありません。
事例② プリウス|ブレーキパイプの腐食と、近づく車検
平成21年式のトヨタ プリウス(ZVW30)の事例です。
この車では、下回りのサビや腐食が進んでいました。
お客様も、車の下側にサビがあることは以前からご存じでした。
特に問題になっていたのが、ブレーキパイプの腐食です。
ブレーキパイプは、ブレーキを作動させるための液体である「ブレーキフルード」が通る配管です。
この車では下回りの腐食が進んでおり、特にブレーキパイプについては、ブレーキフルード漏れにつながるおそれがあると判断していました。
ブレーキフルードが漏れると、ブレーキが正常に働かなくなるおそれがあります。
ブレーキは安全に直接関わる部分です。腐食の状態を踏まえ、今後の使用や修理について慎重に考える必要がありました。
また、車検の時期も近づいていました。
お客様は、こうした車の状態と今後の整備を考え、乗り換えを決断されました。
故障してから考えるとは限りません
車の修理や乗り換えを考えるきっかけは、実際に故障したときだけではありません。
まだブレーキフルードが漏れていなくても、腐食が進んでいる場合には、安全に使用できる状態かどうかを確認する必要があります。
腐食の程度によっては、運転を控え、車両の搬送を検討する必要があります。判断に迷う場合は、整備工場に相談してください。
また、車検が近づいているときには、今回必要な整備だけでなく、これから先にどのような整備が必要になりそうかも判断材料になります。
佐渡市では、潮風や冬場の道路環境なども、車のサビを考えるうえで気になる点です。
ただし、サビの進み方は、車の使い方や保管状況、これまでの整備によっても異なります。
サビがあるからすぐに乗り換えるのではなく、どこに、どの程度の腐食があるのかを確認することが大切です。
佐渡での下回りのサビについては、こちらの記事でもご紹介しています。
【今後、N-17「他社で修理を断られた古い車。ブレーキパイプの修理事例から考えること」への内部リンクを設置】
事例③ ジムニー|エンジンの圧縮不良と、車体の大きな腐食
平成13年式のスズキ ジムニー(JB23W・3型)の事例です。
走行距離は145,000kmでした。
この車では、エンジン不調の原因を調べるため、パワーバランス点検を実施しました。
パワーバランス点検は、各シリンダーの働きを比較し、不調のある部分を絞り込むための点検です。
この点検で特定のシリンダーに不具合があると判断し、さらに診断を進めた結果、3番シリンダーの圧縮不良が確認されました。
スパークプラグやイグニッションコイルなど、点火に関わる部品の不具合ではなく、エンジン内部の状態に問題があると判断しました。
圧縮不良とは、エンジン内部で空気などを十分に圧縮できなくなっている状態です。
エンジン内部の修理を考える必要がありました。

一番シリンダー

二番シリンダー

三番シリンダー
良否判定【否】
【今後公開予定の資産記事:「エンジンの3大要素とは?よい圧縮・よい燃料・よい点火」への内部リンクを設置】
エンジンだけでなく、車体にも腐食がありました
しかし、問題はエンジンだけではありませんでした。
車の後ろ側の床部分であるリアフロアには、腐食による穴が開いていました。
さらに、ヘッドライト周辺の車体部分であるヘッドライトバッフルにも、大きな腐食が見られました。

リアフロア腐食
エンジンだけを直しても、車体の問題は残ります
エンジンのオーバーホールとは、エンジンを分解して内部を点検・修理し、組み直す作業です。
今回のジムニーでも、エンジンを修理する方法は考えられました。
しかし、車体にも大きな腐食がありました。
エンジンだけを修理しても、リアフロアやヘッドライトバッフルの腐食という問題は残ります。
そこで、今後必要になる整備も含めてお客様と相談し、今回はエンジンのオーバーホールを行わず、乗り換えることになりました。
この判断については、お客様にもご説明し、了承をいただいています。
これまで乗っていたジムニーは、次の車の購入費用の一部に充てることになりました。
この事例から考えたいこと
一つの故障だけを見れば、修理する方法が考えられる場合もあります。
しかし、その部分を修理しても、ほかの場所に大きな問題が残ることがあります。
今回のジムニーは、走行距離145,000kmという数字だけで乗り換えを判断したわけではありません。
エンジンの状態、リアフロアの腐食穴、ヘッドライトバッフルの腐食、今後必要になる整備を総合的に考えた結果です。
修理するか乗り換えるかを考えるときには、故障した部分だけでなく、車全体の状態を見ることが大切です。
修理するか乗り換えるか、考えたい5つのこと
3つの事例から分かるのは、乗り換えを考える理由が一つではないということです。
実際に判断するときには、次の5つを整理すると考えやすくなります。
1. 安全に関わる部分に問題はないか
ブレーキや車体の重要な部分など、安全に関わる箇所に問題がある場合は、特に慎重な判断が必要です。
修理によって必要な状態に戻せるのか、ほかにも確認が必要な部分があるのかを考えます。
2. 今回の修理にいくらかかるか
修理費の見積もりは、大切な判断材料です。
ただし、金額だけでなく、どのような作業が含まれているのかを確認することも必要です。
3. ほかの部分の状態はどうか
今回の故障を修理しても、ほかの部分に大きな傷みがある場合には、今後さらに整備が必要になることがあります。
特に古い車では、下回りの腐食や過去の整備状況なども確認したいところです。
4. これから、どのくらい乗りたいか
あと何年くらい使いたいのか。
通勤や買い物などで、どのくらい車が必要なのか。
今後の使い方によっても、判断は変わります。
5. 乗り換える場合の負担はどうか
乗り換えには、次の車の購入費用がかかります。
車両代だけでなく、購入時の諸費用や、購入後の維持費も考える必要があります。
また、今の車の査定額や引き取り条件も、車両の状態によって異なります。
修理費が高いからといって、必ず乗り換えた方が負担が少ないとは限りません。
修理する場合と乗り換える場合の両方を考え、自分の暮らしに合った方法を選ぶことが大切です。
車を手放すときの査定については、こちらの記事でもご紹介しています。
また、修理するか、手放すかを考えた別の事例はこちらです。
故障した車は修理してから売る?|修理か売却かを考えた3台の事例
修理して乗り続ける選択も大切です
今回ご紹介した3台は、いずれも乗り換えという判断になりました。
しかし、古い車が故障したら、必ず乗り換えた方がよいということではありません。
故障した部分を修理することで、これからも使い続けられる車もあります。
また、長く乗ってきた車には、使い慣れていることや、生活に合っていることなど、金額だけでは決められない価値もあります。
一方で、修理を続ける場合には、今後必要になりそうな整備や、部品が手に入るかどうかも考える必要があります。
大切なのは、修理を勧めることでも、乗り換えを勧めることでもありません。
車の状態をできるだけ分かりやすくお伝えし、お客様が納得して判断できることだと考えています。
まとめ|年式や走行距離だけで決めない
今回の3つの事例では、それぞれ異なる理由で乗り換えが選ばれました。
ワゴンRは、エアコンの修理を重ねてきた後に、新たな高額修理が必要になった事例でした。
プリウスは、ブレーキパイプの腐食が進み、車検も近づく中で判断された事例でした。
ジムニーは、エンジン内部の不調に加え、車体にも大きな腐食が見つかった事例でした。
同じ「古い車」でも、状態は一台ずつ異なります。
そのため、年式や走行距離だけで、修理か乗り換えかを決めることはできません。
修理費、安全性、車全体の状態、今後の維持費、そしてこれからの使い方。
こうした点を一つずつ確認しながら考えることが大切です。
真野自動車整備では、車の状態とお客様の暮らしの両方を大切にしながら、修理と乗り換えについて考えていきたいと思います。
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【内部リンク設置予定:N-12「古い車は修理できる?年式だけでは決まらないこと」】
【内部リンク設置予定:N-13「古い車のサビと固着。整備が難しくなる理由」】
【内部リンク設置予定:N-14「古い車の部品が手に入らないときは?修理を考える際に知っておきたいこと」】
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