車検・整備・メンテナンス
ブログ
車のエアコンが冷えない・風が出ないときは?整備士が確認していること
暑い日に車のエアコンをつけても、冷たい風が出てこない。
「昨日までは冷えていたのに、今日は冷えない」
「風は出るけれど、ぬるい」
「信号待ちなど、停車しているときだけ冷えない」
そんな状態になると、故障したのではないかと心配になると思います。
真野自動車整備でも、エアコンについてさまざまなご相談をいただきます。
ただ、エアコンが効かない原因は一つではありません。
エアコンガスが減っている場合もあれば、エアコンを動かす部品や、風を送る部品に不具合がある場合もあります。
また、ガスを補充すれば必ず直るというものでもありません。
今回は、エアコンが効かないとき、真野自動車整備でどのようなことを確認しているのかをご紹介します。
「冷えない」「風が出ない」「停車中だけ冷えない」は違う症状です
お客様からいただく相談には、次のようなものがあります。
- 「エアコンをつけても冷たい風が出ない」
- 「風そのものが出てこない」
- 「走っていると冷えるけれど、停車していると冷えない」
似ているようですが、整備士が確認する内容は同じではありません。
例えば、風は出るのに冷えない場合と、風そのものが出ない場合では、確認する部品も変わってきます。
停車中だけ冷えない場合も、走行中との状態の違いが手がかりになることがあります。
特に、走行中は冷えるのに停車中だけ冷えない場合には、電動ファンなどの不具合が関係していることもあります。
電動ファンは、車によってはエンジンの冷却にも関わるため、エアコンだけの問題とは限りません。
水温警告灯が点いたり、エンジンの温度に異常が見られたりする場合は、注意が必要です。
赤い水温警告灯が点灯・点滅している場合は、そのまま走行を続けず、周囲の安全を確認して安全な場所に停車してください。安全に停車したらエンジンを停止し、無理に再始動せず、ロードサービスなどへ相談してください。
詳しくは、「車の水温警告灯が点いたら?オーバーヒートで気をつけたいこと」でもご紹介しています。
お客様が故障の原因を判断する必要はありません。
**「いつ、どのように効かなくなるのか」**を、そのまま伝えていただくことが大切です。
エアコンが効かなくなる原因はいろいろあります
車のエアコンには、冷やすための装置だけでなく、風を送る装置など、さまざまな部品が使われています。
例えば、次のような原因が考えられます。
- エアコンガスの不足や漏れ:冷やすために必要なガスが不足している状態
- コンプレッサーの不具合:エアコンガスを圧縮する装置の不具合
- 電動ファンの不具合:熱を逃がすためのファンの不具合
- ブロアモーターの不具合:車内へ風を送る装置の不具合
- エアコン内部の部品の不具合や詰まり:ガスが循環する部分などの不具合
ほかにも、エバポレーター、コンデンサー、エキスパンションバルブなど、確認する部品はいくつもあります。
部品の名前を覚える必要はありません。
ここでお伝えしたいのは、同じ「エアコンが冷えない」という症状でも、原因は一つとは限らないということです。
そのため、最初から交換する部品を決めるのではなく、車の状態を確認していきます。
真野自動車整備では、低圧と高圧を確認します
エアコンが冷えない車を点検するとき、真野自動車整備では、ゲージマニホールドという点検器具を接続し、エアコンの低圧側と高圧側の圧力を確認します。
エアコンの中で、ガスがどのような状態になっているかを調べるための点検です。
エアコンの圧力は、その日の外気温や作動状態によっても変わります。
そのため、外気温や作動状態を踏まえて、低圧と高圧が適切な状態かを確認します。
一方、エアコンガスには、車ごとに定められた量があります。
圧力の数値だけでガスの量を正確に判断できるわけではないため、車に合った規定量も大切になります。
ただし、圧力を確認するだけですべての故障原因が分かるわけではありません。
必要に応じて、ほかの部品や作動状態も確認します。
エアコンガスは、多く入れるほど冷えるわけではありません
エアコンについて、誤解されやすいことがあります。
それは、
「エアコンガスを多く入れれば、もっと冷えるのでは?」
という考え方です。
しかし、エアコンガスは、多く入れれば入れるほど冷えるものではありません。
車には、それぞれ定められたガスの量があります。
不足していても正常に働かないことがありますし、多すぎても不具合につながることがあります。
そのため、真野自動車整備では、ガスの量を考えずに補充すればよいとは考えていません。
その日の外気温やエアコンの作動状態を踏まえて圧力を確認することと、車に定められたガスの規定量を守ることは、どちらも大切です。
ガスが減っていると、補充から点検を始めることがあります
エアコンが冷えない原因を調べようとしても、ガスが減っている状態では、通常の作動状態を確認しにくい場合があります。
点検の結果、ガスが不足していて、診断を進めるために補充が必要と判断する場合があります。
その際は、補充する目的と費用をご説明してから作業を進めます。
真野自動車整備では、車両ごとの規定量や現在の状態を確認し、必要な方法でガスの量を調整する場合があります。
また、エアコンの圧力が明らかに大気圧に近い場合でも、最初から必ず真空引きを行うわけではありません。
目視点検でガス漏れの原因となる箇所が確認できれば、その状態を踏まえて必要な修理を判断します。
一方、目視では原因が分からず、診断を進めるために必要な場合には、真空引きなどの作業を行うことがあります。
真空引きとは、専用の機器を使ってエアコン内部の空気や水分を取り除くための作業です。ガス漏れそのものを直す作業ではありません。
なお、ここでいう真空引きの判断は、故障原因を調べる段階の話です。修理後に冷媒を充填するための工程とは分けて考えます。
蛍光剤は、今後のガス漏れ点検に役立てるために入れています
真野自動車整備では、ガスが減っていて補充を行う際、今後ガスが漏れている場所を確認するための手がかりとして、蛍光剤も入れています。
蛍光剤は、エアコン内部をガスとともに循環し、専用の方法で漏れ箇所を探す際に役立つものです。
ただし、蛍光剤を入れれば、必ずその場で漏れ箇所が分かるわけではありません。
ガスの漏れがごく小さい場合など、一度の点検では漏れ箇所を特定できないこともあります。
そのため、蛍光剤を入れることは、今後の点検につなげるための作業でもあります。
ガスと蛍光剤の補充には費用がかかります
「エアコンが冷えないので、まず点検だけしてほしい」
というご相談をいただくことがあります。
エアコンガスが減っている場合には、状態を確認するために、フロンガスと蛍光剤の補充が必要になることがあります。
フロンガスと蛍光剤の補充は、エアコンの状態を確認したり、今後の漏れ箇所の特定につなげたりするための作業です。
補充によって確認できることもありますが、一度の作業だけでは原因を特定できない場合もあります。
この作業には費用がかかります。
真野自動車整備では、フロンガスと蛍光剤の補充に費用が発生することを、作業前に必ずご説明しています。
ガスと蛍光剤の補充は、故障箇所の修理そのものではありません。
原因が分かったあとに修理が必要になれば、別の作業や費用が発生する場合があります。
点検の目的や、どのような作業に費用がかかるのかを、分かりやすくお伝えすることを大切にしています。
一度の点検で漏れ箇所が分からないこともあります
フロンガスと蛍光剤を補充したあと、エアコンが冷えるようになることがあります。
ただし、冷えるようになったからといって、ガスが減った原因まで確認できたとは限りません。
ガスが減っていても、一度の点検では漏れの有無や場所を確認しきれないことがあります。
そのような場合、車の状態を確認したうえで、蛍光剤を使った後日の再点検をご案内することがあります。
これは、漏れが小さい場合などに、蛍光剤を循環させ、後日の確認につなげるためです。
ただし、蛍光剤を入れれば必ず漏れ箇所が見つかるというものではありません。
また、「ガスを補充したので修理が終わった」という意味でもありません。
経過を見てよいかどうかも含めて、車の状態に応じて判断します。
初めてご利用になる車では、これまでの整備状況をお聞きすることがあります
初めて真野自動車整備をご利用いただくお客様の車では、これまでにどのような点検や修理を行ってきたのか、当店では分からないことがあります。
例えば、
「いつ頃から冷えなくなりましたか?」
「以前にエアコンガスを補充したことはありますか?」
「これまでにエアコンの修理をしたことはありますか?」
といったことをお聞きする場合があります。
これは、お客様に故障原因を説明していただくためではありません。
過去にどのような作業が行われたのかが、現在の状態を確認する手がかりになるためです。
以前の整備内容が分からなくても、現在の車の状態から確認を進めます。
ただし、過去の作業内容が分かる場合と比べて、確認する項目が増えることもあります。
分かっていることと、まだ確認が必要なことを分けてご説明します。
【公開後内部リンク予定:初めて真野自動車整備をご利用になる方へ】
エアコンが効かないときは、症状をそのまま伝えてください
エアコンが効かないとき、お客様自身が原因を調べたり、部品の名前を覚えたりする必要はありません。
例えば、
- 冷たい風が出ない
- 風そのものが出ない
- 停車しているときだけ冷えない
- 以前にガスを補充したことがある
といった情報が、点検の手がかりになります。
エアコンが効かない原因は、ガスの不足だけとは限りません。
また、ガスが減っている場合には、フロンガスと蛍光剤を補充する作業から診断を進めることもあります。
その作業には費用がかかるため、真野自動車整備では作業前に必ずご説明しています。
一度の点検で原因が分からない場合には、後日の再点検につなげることもあります。
また、エアコンの不調と同時に警告灯が点いた場合には、警告灯の種類によって必要な対応が変わります。
「車の警告灯が点いたらどうする?まず確認したいこと」でも詳しくご紹介しています。
大切なのは、最初から原因を決めつけることではありません。
今どのような症状が出ているのかを確認し、必要な点検を一つずつ進めていくことです。

