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古い車のサビと固着。整備が難しくなる理由
「車の修理は、傷んだ部品を交換すれば終わるのでは?」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実際に、部品を交換することで修理できる場合はあります。
しかし、年数が経過した車では、交換する部品を取り外すまでに、思いがけず時間がかかることがあります。
その理由の一つが、サビや固着です。
今回は、佐渡で長く使われてきた車の整備を例に、サビや固着が修理にどのように関係するのかをお話しします。
佐渡では、サビや固着に出会うことがあります
佐渡で年数の経った車を整備していると、車の下回りのサビや腐食、ボルト・ナットの固着に出会うことがあります。
真野自動車整備では、佐渡で20年以上車を整備してきましたが、同じ年式の車でも、下回りの状態には大きな違いがあります。
車を使ってきた場所や保管環境、これまでの整備や手入れなどによっても状態は変わります。
そのため、「古い車だから、必ずサビがひどい」というわけではありません。
佐渡では、海に近い場所で車を使うこともあります。潮風に含まれる塩分や、冬の道路に散布される凍結防止剤なども、サビに関係する要因です。
ただし、同じ佐渡で使われてきた車でも、サビの状態は一台ずつ異なります。
大切なのは、年式だけで決めつけず、実際の状態を確認することです。
ボルトやナットは、必ず緩めて外せるとは限りません
車の部品の多くは、ボルトやナットで取り付けられています。
通常は、工具を使って緩め、部品を取り外します。
ところが、サビによる固着が進んでいると、工具をかけても簡単には緩まないことがあります。
固着とは、本来は取り外せる部品が、サビなどによって動かなくなっている状態のことです。
無理に力をかけ続けると、ボルトが折れたり、ナットの角が傷んだり、周囲の部品まで傷めたりする可能性があります。
そのため、固着の状態や場所を確認しながら、取り外す方法を考える必要があります。
場合によっては、専用の工具を使ったり、周囲への影響を確認したうえで熱を加えたりすることもあります。
通常の方法で取り外せない場合は、ボルトやナットを削ったり、切断して交換したりすることもあります。
加熱や切断は、周囲の部品や安全面への影響を確認したうえで、整備の現場で方法を判断する作業です。どの車や場所でも行えるわけではありません。
車に詳しくない方には、少し想像しにくい作業かもしれません。
ボルトやナットは、工具で回せば外れる。
そう思うのも自然なことです。
しかし、サビや固着が進んだ車では、
「どうやって緩めるか」ではなく、「どうやって周囲を傷めずに取り外すか」
を考える作業になることがあります。
折れたボルトを取り除くこともあります
状態を確認しながら作業をしていても、サビや腐食が進んだボルトが折れてしまうことがあります。
折れた部分を取り除ければよいのですが、残ったボルトをドリルなどで少しずつ削りながら取り除かなければならない場合もあります。
場所によっては、その作業のためのスペースを確保するために、周囲の部品をさらに外すこともあります。
また、ボルトを取り除いたあとにネジ山が傷んでいれば、修正や部品交換が必要になる場合もあります。
ネジ山とは、ボルトを締め付けるための、らせん状の溝のことです。
こうした作業が重なると、部位や状態によっては、折れたボルト一本を取り除き、再び取り付けられる状態にするまでに、1時間以上かかることもあります。
これは作業時間の一例であり、1時間以上かかったからといって、一律の追加料金が決まるわけではありません。実際の費用は、必要な作業内容を確認したうえでご説明します。
外から見ると「ボルト一本」でも、実際には、その一本を取り除き、再び部品をきちんと取り付けられる状態にするところまでが作業です。
下回りの作業では、周囲の状態も確認します
車の下回りでは、ボルトやナットだけがサビているとは限りません。
マフラーや足回りなど、その周囲の部品にもサビや腐食が進んでいる場合があります。
足回りとは、タイヤや車輪の動きを支え、車が走ったり曲がったりするときに関係する部品のことです。
一つの部品を交換するためにボルトを外したくても、無理に作業することで周囲の部品まで傷める可能性があれば、そのまま力をかけるわけにはいきません。
どこまで分解するのか。
どの方法で外すのか。
周囲の部品は、そのまま使えるのか。
実際の状態を見ながら判断します。
部品を交換する時間より、その部品を交換できる状態にするまでの方が時間がかかることもあります。
追加整備が必要になったときは、内容を確認します
古い車では、作業を始める前にすべての傷みを確認できるとは限りません。
固着した部品を取り外して初めて、周囲のサビや腐食が分かることもあります。
その結果、当初予定していなかった部品交換や作業が必要になる場合があります。
また、固着したボルトの処置に時間がかかると、修理の予定が変わることもあります。
ただし、新たな傷みが見つかったことと、追加整備を進めることは別の判断です。
真野自動車整備では、予期していなかった追加整備が必要になった場合、LINE公式アカウントを活用し、写真や見積もりを使って内容や費用をご説明しています。
お客様からのお返事と了承を確認してから、追加整備を進めています。
そのため、ご連絡をお待ちする間は、作業が一時的に止まる場合があります。
何が見つかったのか。
なぜ追加の作業が必要なのか。
費用や日程がどのように変わるのか。
こうしたことを確認しながら、修理を考えることが大切です。
真野自動車整備が大切にしている、お客様への説明や対応の考え方については、「当社について」でもご紹介しています。
サビがあるから、すぐ乗り換えというわけではありません
車の下回りにサビがあるからといって、それだけで乗り換えなければならないわけではありません。
大切なのは、どこに、どの程度のサビや腐食があるのかを見ることです。
表面にサビが見える状態と、部品の強度に影響するほど腐食が進んでいる状態では、考え方が異なります。
今すぐ整備が必要なのか。
今後どのように状態を確認していくのか。
ほかの部分の状態はどうなのか。
一台ずつ確認して判断する必要があります。
そのため、サビを見つけただけで、
「古いから、もう修理できない」
と決めるものではありません。
一方で、車体を支える部分や、走る・曲がる・止まるための重要な部分まで腐食が進んでいる場合は、修理後も安全に使い続けられるかを慎重に確認する必要があります。
車の安全性に関わる部分の腐食が疑われる場合は、無理に運転を続けず、普段から整備をお願いしている工場へ相談してください。
自分で運転して移動しても安全か判断できない場合は、無理に車を動かさず、ロードサービスなどへ相談してください。
サビを減らすために、日頃からできること
サビを完全に防ぐことは難しいですが、塩分や汚れを長く付着させないことは、対策の一つになります。
例えば、潮風の影響を受けやすい場所を走った後や、凍結防止剤が使われた道路を走った後は、洗車で汚れを落とすことが役立つ場合があります。
ただし、車の下側を洗うために、自分で車の下へ潜り込むことは避けてください。
また、洗車設備や高圧洗浄機を使用する場合は、機器の使用方法や車両への注意事項を守ることが大切です。
下回りの状態が気になる場合は、車検や点検の際に、普段から整備をお願いしている工場へ相談するとよいでしょう。
防錆処理などが役立つ場合もありますが、すでに進んだ腐食を元の状態に戻せるわけではありません。
古い車では、「交換するまで」の仕事が増えることがあります
部品交換というと、
「古い部品を外して、新しい部品を付ける」
という作業を想像するかもしれません。
しかし、年数が経過した車では、その前に、
「この部品を、周囲を傷めずにどうやって外すか」
を考えなければならないことがあります。
状態によっては、加熱する、削る、切る、折れたボルトを取り除く、ネジ山を修正するといった作業が必要になります。
こうした作業は、新しく交換する部品そのものとは別でも、その部品を取り付けるために必要な仕事です。
古い車では、部品を交換することより、そこへたどり着くまでに時間がかかることもあります。
これは、佐渡で長年車を整備してきた中で、何度も経験してきたことです。
中古車の整備でも、作業を始めてから初めて分かることがあります。実際の整備の進め方については、「中古車の納車整備|整備を始めてから納車できる状態になるまで」でもご紹介しています。
まとめ|サビや固着は、修理の進め方にも関係します
古い車の修理では、サビや固着によって、通常の方法では部品を取り外せない場合があります。
そのため、作業に時間がかかったり、追加の作業が必要になったりすることがあります。
一方で、サビがあるからといって、すぐに修理をあきらめる必要があるわけではありません。
大切なのは、サビの場所や進み具合を確認し、周囲の部品の状態も含めて、安全に整備できるかどうかを判断することです。
佐渡で毎日の生活を支えている車だからこそ、見えない部分の状態にも目を向けていきたいですね。
次回は、古い車の修理に必要な部品が手に入らないとき、どのようなことを確認するのかについてお話しします。

