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他社で修理を断られた古い車。ブレーキパイプの修理事例から考えること
古い車の修理では、必要な部品が手に入らなかったり、サビが進んでいたりして、作業が難しくなることがあります。
また、修理を引き受けられるかどうかは、車の状態だけでなく、必要な作業時間や設備などによっても変わります。
今回は、他の整備工場で修理を断られた後、佐渡市の真野自動車整備に入庫した車の事例をご紹介します。
実際にどのような状態だったのか、どのような修理を行ったのかを通して、古い車の修理について考えてみたいと思います。
他の整備工場で修理を断られた車が入庫しました
入庫したのは、平成8年式の車です。
入庫時の走行距離は166,500kmでした。
お客様からは、他の整備工場で修理を断られたと伺いました。
ただし、どのような理由で断られたのかは分かっていません。
整備工場によって、設備や作業体制、予約状況などは異なります。
そのため、修理を引き受けられなかったという事実だけで、他の整備工場の判断を評価することはできません。
当店では、実際の車の状態を確認し、修理を行いました。
左右の後輪につながるブレーキパイプからフルードが漏れていました
この車では、ブレーキパイプの腐食が進み、損傷した部分からブレーキフルードが漏れていました。
ブレーキパイプは、ブレーキを作動させるための液体を通す配管です。
ブレーキフルードが漏れると、ブレーキが正常に働かなくなるおそれがあります。
今回、漏れが確認されたのは、左後輪と右後輪へつながるブレーキパイプでした。
車の下回りには、ひどいサビも見られました。

腐食によって穴が開いたブレーキパイプ
ブレーキパイプは細い金属製の配管ですが、腐食によって小さな穴が開くだけでも、ブレーキフルード漏れにつながります。
ブレーキは走行の安全に直接関わる部分です。
ブレーキフルードが漏れている場合は、無理に運転を続けず、安全な場所に停車して整備工場などに相談し、積載車などによる搬送を検討してください。
必要なブレーキパイプは生産終了していました
修理に必要なブレーキパイプは、すでに生産終了となっていました。
古い車では、必要な部品が製造されなくなり、新品の純正部品を取り寄せられないことがあります。
今回の車では、車の下側を通る配管の状態を確認し、どの範囲を修理するか検討しました。
ブレーキパイプは車体の下側を通っているため、交換する場所によっては、燃料タンクなどの部品を取り外さなければ作業できない場合があります。
一方、今回の車はサビがひどく、周辺の部品を取り外す際にも注意が必要な状態でした。
古い車では、部品を取り外そうとしたときにボルトが折れたり、部品が傷んだりすることがあります。
そうなると、当初予定していなかった部品交換や追加の作業が必要になる場合もあります。
そこで今回は、配管の状態や接続する場所を確認し、燃料タンクなどを取り外さずに修理できる範囲を選びました。
必要のない脱着を避けることは、作業に伴う損傷のリスクを抑え、お客様の修理費の負担が増える可能性を減らすことにもつながります。
ただし、脱着が必要な修理では、安全性や作業品質を優先して適切に作業することが大切です。

車体の下側を通るブレーキパイプ
状態の良い部分を選び、ブレーキパイプを製作しました
今回の修理では、腐食した部分だけを取り除いて終わりにはしていません。
既存のブレーキパイプを確認し、表面にサビや腐食が見られない、状態の良い部分を選んで切断しました。
腐食している箇所だけでなく、その周囲の状態も確認しながら、修理する範囲を判断しました。
そのため、製作した修理用のパイプは、腐食していた部分よりも長くなりました。
今回使用したのは、スチール製のブレーキパイプと、ブレーキ配管用の専用フレアナット、フレアナットユニオンです。
既存のパイプと新しく製作したパイプの両方に、専用工具を使ってダブルフレア加工を施しました。
ダブルフレア加工とは、パイプの端を折り返した形に加工する方法です。
ブレーキパイプの接続には、車両の仕様に合った材料や接続部品、加工形状を選ぶ必要があります。

ブレーキパイプの端部
既存のパイプをダブルフレア加工済

専用工具を使用したダブルフレア加工
ブレーキパイプの修理方法は、車種や配管の状態、接続部分の構造などによって異なります。
今回ご紹介した方法も、すべての車に当てはまるものではありません。
ブレーキは安全に直接関わる部分のため、修理方法の判断や加工、取り付けは、専門の整備工場で行う必要があります。
部品の値段だけでは、修理費は決まりません
ブレーキパイプは、材料や部品そのものの費用が比較的少額でも、交換する場所によっては作業に多くの時間がかかることがあります。
例えば、車の前側から後ろ側まで通っているパイプを交換する場合、燃料タンクなどの脱着が必要になる車もあります。
今回の車では、脱着しなくてよい部分を選んでパイプを製作しました。
ただし、修理範囲を判断すること、パイプを製作すること、接続部分を加工すること、取り付け後に確認することにも、それぞれ作業が必要です。
さらに、サビが進んでいる車では、周辺の部品やボルトの状態によって作業が難しくなることもあります。
修理費は、交換する部品の値段だけで決まるものではありません。
どのような作業が必要になるのかも、修理を考えるうえで大切な点です。
修理後はブレーキの状態を確認して納車しました
修理後は、ブレーキフルードの漏れがないか、ブレーキペダルの高さや踏みしろに問題がないかを確認しました。
さらに、ブレーキの効きを確認し、試運転も行いました。
こうした確認を終えてから、お客様に車をお返ししました。
これらは今回のブレーキ修理に関する確認です。車全体のすべての部分に問題がないことを意味するものではありません。
ブレーキの修理は、部品を取り付けて終わりではありません。
修理後の状態を確認することも、大切な整備です。
中古車の整備では、部品を交換するだけでなく、実際の状態を確認しながら作業を進めます。
関連する記事もご覧ください。
修理を引き受けるには、作業時間と責任が伴います
古い車の修理では、実際に点検してみなければ、必要な作業の範囲が分からないこともあります。
部品が手に入るかどうか。
サビによって作業が難しくなっていないか。
必要な設備や工具があるか。
修理後に必要な確認を行えるか。
こうした点を考えながら、修理を引き受けられるかどうかを判断します。
整備工場では、すでにお預かりしている車や、ご予約いただいている車の整備も進めています。
そのため、新たな修理のご相談をいただいた場合でも、作業内容や予約状況によっては、すぐに対応できないことがあります。
必要な作業時間を確保し、予定している整備の品質を守ることも、修理を引き受ける際の大切な判断です。
一台の車を継続して見ていくことを大切にしています
真野自動車整備では、車の販売から日常の整備、車検、そして廃車まで、一台の車を継続して見ていくことを大切にしています。
その理由の一つは、これまでの整備履歴が、今後の修理を判断するための大切な情報になるからです。
以前、どのような部品を交換したのか。
どの部分にサビが見られたのか。
前回の点検から、どのような変化があったのか。
こうした情報が積み重なることで、車の状態を考える際の手がかりが増えていきます。
もちろん、初めて相談される車でも、現在の状態を点検することはできます。
ただし、過去の整備状況が分からない場合には、確認する範囲が広がることもあります。
車を長く使っていくためには、故障したときだけでなく、日頃の点検や整備を通して状態を把握していくことも大切です。
まとめ|修理を引き受けるかどうかも、品質を守るための判断です
今回ご紹介したのは、平成8年式、走行距離166,500kmの車で、腐食したブレーキパイプを製作して修理した事例です。
必要な部品が生産終了していても、車の状態や修理方法によっては対応できる場合があります。
一方で、部品が用意できることだけで、修理を引き受けられるとは限りません。
サビの程度、作業に必要な時間、修理後の確認、整備工場の作業体制なども関わります。
修理を引き受けるかどうかは、車の状態と、必要な整備を責任を持って行えるかを考えたうえで判断することが大切です。
古い車の修理について、次の記事でも取り上げます。
【今後公開予定】古い車の修理を断られるのはなぜ?理由と相談するときに知っておきたいこと
修理を断られる理由は一つではありません。整備工場に相談する際に知っておきたいことを、分かりやすく整理する予定です。
【今後公開予定】古い車は修理する?乗り換える?
修理費だけでなく、車の状態やこれからの使い方も踏まえ、判断する際の考え方をご紹介する予定です。
【今後公開予定】古い車と長く付き合うために
日頃の点検や整備履歴が、古い車を使い続けるうえでどのように役立つのかをお伝えする予定です。

